国土交通省は2026年8月28日、2027年度(令和9年度)の税制改正要望を公表しました。
相続した空き家の実家を売るときの3,000万円控除について、2031年12月31日までの延長と、対象になる家の築年の条件をゆるめることを求めています。これはまだ要望の段階で、改正が決まったわけではありませんが、非常に注目する内容となっています。
「実家」に関係する項目だけを拾いました。

空き家の3,000万円控除:延長と対象の拡大を要望
このお知らせの要点
- 空き家の3,000万円控除は、2028年1月1日から2031年12月31日までの4年間の延長を要望
- あわせて、1981年以前の建築という条件の緩和や、民事信託で取得した家を対象にすることを要望
- 不動産取得税の軽減(税率3%、宅地は価格の2分の1)も、2030年3月31日までの延長を要望
- 今の制度で売るなら、期限は2027年12月31日のまま。これは要望であり、決定ではない
親が一人で住んでいた家を相続して売った場合、譲渡の所得から最高3,000万円(家と土地を相続した相続人が3人以上なら1人2,000万円)を差し引ける特例があります。今のこの制度の対象となっている期間は、2027年12月31日までの売却です(国税庁「No.3306」)。
国土交通省の要望書は、この特例を2028年1月1日から2031年12月31日までのさらに4年間延長し、次の点を広げるよう求めています。
(財務省掲載「令和9年度税制改正要望事項(国土交通省)空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充及び延長」)。
- 築年の条件をゆるめる:今は1981年(昭和56年)以前に建てられた家に限られています。要望書では、1981年以降に建てられた新しい耐震基準の家でも、古いものはすでに築45年以上たっているとしています。
- 民事信託で取得した家も対象にする:相続や遺贈と同じように見られる民事信託の契約が終わり、家と土地を取得した場合も対象に加えるように求めています。
- 確認書の手続きを軽くする:売るときに市区町村から受け取る「被相続人居住用家屋等確認書」について、発行と取得を早く進められるようにする措置を求めています。
要望書によると、この特例の適用件数は2024年度に16,604件でした(同要望書)。
不動産取得税の軽減:3年の延長を要望
実家を贈与で受け取ったときや、家や土地を買ったときにかかる不動産取得税には、住宅と土地の税率を3%(本来は4%)にする特例と、宅地の価格を2分の1にして計算する特例があります。今の期限は、どちらも2027年3月31日までの取得です(北海道庁「不動産取得税」)。
国土交通省は、この2つを2030年3月31日まで3年間延長するよう総務省に求めています
(総務省掲載「住宅又は土地の取得に係る税率の特例措置の延長」、総務省掲載「宅地評価土地の取得に係る課税標準の特例措置の延長」)。
相続で取得した場合は、もともと不動産取得税はかかりません。
住宅資金の贈与の非課税も「所要の措置」を要望
親や祖父母から家を買う資金の贈与を受けたとき、一般の住宅で500万円、質の高い住宅で1,000万円まで贈与税がかからない措置があります。国土交通省は、この措置について必要な検討を行い、所要の措置を講じるよう求めています(財務省掲載「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等に係る所要の措置」)。
今、実家を売る予定がある人は
要望は、国土交通省が税を所管する省に出したもので、そのとおりに改正されるとは限りません。
今の制度で空き家の3,000万円控除を使うなら、売却の期限は2027年12月31日で、相続の時期によってはそれより早くなります。期限の数え方は 空き家の3,000万円控除、期限は2027年12月31日 で書いています。改正の内容が決まったら、こちらのページと関係する記事を更新します。
自分の場合に当てはめる
要望の内容を、やることはこの順です
- 国土交通省の「令和9年度税制改正」のページで、要望事項の一覧を開きます。
- 空き家の特例は、財務省の要望事項ページの「空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充及び延長」を開きます。
- 不動産取得税の特例は、総務省の「令和9年度 税制改正要望(国土交通省)」のページを見れば分かります。
- 売却の時期が近い人は、今の制度の期限(2027年12月31日)で計画し、税務署か税理士に聞いておきます。
迷ったときの相談先:公的な相談窓口
各リンク先の確認日:2026年9月24日出典・記事情報
記事の内容は、以下の一次情報をもとに作成し、公開前に確認しています。
- 国土交通省「令和9年度税制改正」(要望事項の公表(2026年8月28日)。確認日:2026年9月24日)
- 財務省「令和9年度税制改正要望(国土交通省)」(要望事項の一覧。確認日:2026年9月24日)
- 財務省掲載 国土交通省要望「空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充及び延長」(4年間の延長、築年要件の緩和、民事信託の対象化、確認書の手続き、適用件数。確認日:2026年9月24日)
- 財務省掲載 国土交通省要望「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等に係る所要の措置」(現行の非課税限度額、要望の内容。確認日:2026年9月24日)
- 総務省「令和9年度 税制改正要望(国土交通省)」(地方税の要望の一覧。確認日:2026年9月24日)
- 総務省掲載「住宅又は土地の取得に係る税率の特例措置の延長」(税率3%の特例、2030年3月31日までの延長。確認日:2026年9月24日)
- 総務省掲載「宅地評価土地の取得に係る課税標準の特例措置の延長」(価格の2分の1の特例、2030年3月31日までの延長。確認日:2026年9月24日)
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(現行の対象期間と控除額。確認日:2026年9月24日)
- 北海道庁「不動産取得税」(現行の税率3%・宅地2分の1の期限(2027年3月31日)、相続は非課税。確認日:2026年9月24日)
更新履歴を見る
2026年9月24日:初版を作成。


