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実家じまいを考える。
何から始めて、何を確かめるか。
親が住まなくなった実家を、片付けて、名義を整えて、売る・壊す・残すのどれかに決める。その一連を「実家じまい」と呼びます。
ここでは、いまの自分の状況から、次に何をすればよいかが分かる順番で整理します。

このページで分かること
- 自分がいまどの段階にいて、最初に何をすればよいか
- 実家じまいの6つのステップと、それぞれで確かめること
- 期限があるもの(相続放棄・相続登記・売却の特例)と、かかる期間の目安
- 費用は何にかかるか、補助金はどこで探すか、自分でやる範囲と頼む範囲
- 戸建てとマンションで違うこと、仏壇の扱い、寂しさやしんどさとの向き合い方
実家じまいとは何か。「実家処分」との違い
実家じまいは、親が住まなくなった家について、次の3つを終わらせることです。
- 家の中を終わらせる:家財を仕分けて、残す物・譲る物・処分する物に分け、家を空にする
- 名義を終わらせる:親名義のままの土地・建物を、相続登記や売却で整理する
- 家そのものを終わらせる、または残す:売る・壊す・貸す・譲る・住む のどれかに決めて、ライフラインや保険、税の届出まで済ませる
「実家処分」は、このうち3つ目の「家そのものをどうするか」、つまり不動産を手放す方法(売る・壊して売る・貸す・空き家バンクに出す・国に引き渡す)を指して使われることが多い言葉です。家の中の片付けが済んでいて、家をどう手放すかだけを決めたい人は、5つの方法を並べて比べられる 空き家になった実家をどうするか から読み始めてください。片付けも名義もこれから、という人は、このページの順番で進めます。
まず、自分がどの段階かを確かめる
実家じまいは、家の状態よりも「親がどうしているか」「名義が誰か」で、やることの順番が変わります。次の3つに答えてください。
| 問い | 答え | 最初にやること |
|---|---|---|
| 親はいま、どこにいますか | 実家に住んでいる | まだ実家じまいの段階ではありません。元気なうちに、家の書類の場所と、将来どうしたいかを聞いておきます。→ 親が実家に住んでいる |
| 施設や病院に入り、家が空いた | 家は親の名義のままです。売る・壊すは親の意思が必要なので、まず管理と片付けの範囲を決めます。→ 親は施設に入り、実家が空いた | |
| 亡くなった | 期限のある手続き(相続放棄・相続登記)が先です。片付けや売却はその後でも間に合います。→ 親が亡くなった | |
| 家の名義は誰ですか | 親、亡くなった親、自分、きょうだいとの共有のどれか | 名義が親のままでは売れません。登記簿で確かめます(ステップ3)。 |
| 家を残しますか、手放しますか | 決まっていない | 決まっていなくて構いません。ステップ1〜3を進めながら決めます。先に壊さないでください(ステップ4)。 |
実家じまいの6ステップ
順番どおりに進めると、やり直しが起きません。各ステップの「確かめること」は、あとで戻れないものを先に押さえるための項目です。
ステップ1 家族で方針を決める
親が元気なら親の希望を、亡くなっていれば相続人全員の考えを、先に聞きます。「残す・売る・壊す・貸す」のどれにするかは決まらなくても、誰が窓口になるかと費用を誰が立て替えるかだけは決めておきます。ここを飛ばすと、片付けや売却の途中で止まります。
- やること:相続人(または親)と話す日を決める。話した内容をメモに残す
- 確かめること:相続人は誰か(きょうだい、代襲相続、前婚の子)。→ 実家の相続を考える
ステップ2 家の中を片付ける
先に貴重品と書類(権利証・登記識別情報、通帳、保険証券、年金・介護の書類、鍵)を探し出してから、残りの物に手をつけます。量が多いときは「自分で仕分ける範囲」と「業者に運んでもらう範囲」を分けます。
- やること:貴重品と書類を1か所にまとめる。写真を撮ってから動かす
- 確かめること:家庭から出るごみを運べるのは、市区町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持つ業者だけです。「産業廃棄物」の許可や古物商の許可では家庭のごみは運べません(環境省)。見積もりの前に許可の有無を確認します。→ 片付け業者の選び方
- 迷う物:捨てるか残すか決められない物は、期限を決めて別の場所に預けると、片付けが止まりません。→ 実家の片付けは、どこから始めるか
ステップ3 名義を確かめる
登記簿(登記事項証明書)で、土地と建物の名義を見ます。法務局の窓口かオンラインで誰でも取れます。名義が亡くなった親のままなら、相続登記が必要です。
- 相続登記は義務です。2024年4月1日から、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。2024年4月1日より前に相続した未登記の不動産は、2027年3月31日までに申請が必要です(法務省)。→ 実家の相続登記
- 相続放棄を考えるなら、先に。相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申述します。片付けや処分を先に進めると、放棄できなくなる場合があります(裁判所)。→ 相続放棄
- 確かめること:登記簿の「権利部(甲区)」の所有者名。共有なら持分。
ステップ4 売る・壊す・残すを決める
名義が整ったら、家をどうするかを決めます。ここで大事なのは、壊すのを先にしないことです。理由は2つあります。
- 建物を壊して更地にすると、固定資産税の住宅用地の特例(200㎡以下の部分は課税標準が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1)が使えなくなります(総務省)。→ 空き家の固定資産税
- 相続した空き家を売るときの3,000万円特別控除には、昭和56年5月31日以前に建てられた家であること、売却代金が1億円以下であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、などの要件があり、適用は2027年12月31日までの譲渡です。2024年1月1日以後の譲渡では、買主が翌年2月15日までに耐震改修か取壊しをしても対象になり、相続人が3人以上の場合の控除額は2,000万円です(国税庁 タックスアンサー No.3306)。壊す時期や売り方で、使えるかどうかが変わります。→ 実家を売ったときの税金
選択肢ごとの行き先:売る → 実家の売却を考える/壊す → 実家を解体する/残す・住む → 実家を引き継いで住む/貸す → 実家を貸す/譲る → 実家を無償で譲る。5つを並べて考えるなら 空き家になった実家をどうするか。
ステップ5 ライフライン・保険・郵便を整理する
電気・ガス・水道は、片付けと売却が終わるまで止めないでください。作業や内見に必要です。終わった時点で解約します。火災保険は、空き家になると契約内容によって扱いが変わるので、保険会社に「空き家になった」ことを伝えます。郵便は転送届を出します。
- やること:契約者名義と支払い口座を確認(親名義の口座が凍結されていると引き落とせません)
- 確かめること:火災保険の契約が空き家でも続くか。→ 空き家に火災保険は入れるか
ステップ6 税と届出を確かめる
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されます(標準税率1.4%)。売却や解体の時期で翌年の税額が変わります。相続税の申告が必要かどうかは、家だけでなく預貯金などを含めた遺産全体で決まります。→ 実家の相続税
どのくらいかかるか。期間の目安と、期限から逆算する
実家じまいに「何年かかるか」は、家の大きさよりも、親の状況と、家をどうするかで決まります。決まっているのは手続きの期限のほうなので、期限から逆算して、いつまでに何を終わらせるかを置きます。
| 状況 | 期限があるもの | 進め方の目安 |
|---|---|---|
| 親が元気で、実家に住んでいる | 期限はありません | 急ぎません。親と一緒に、要らない物を少しずつ減らし、書類の場所と家の希望を聞いておきます。ここで1〜2年かけても構いません。→ 親と一緒に進める生前整理 |
| 親が施設に入り、家が空いた | 期限はありません。ただし空き家のまま置く期間だけ、固定資産税・保険・管理の手間がかかります | 家は親名義なので、売る・壊すは親の意思が要ります。まず管理と片付けの範囲を決め、親の意思が確かめられるうちに「将来どうするか」を決めておきます。→ 親は施設に入り、実家が空いた |
| 親が亡くなった | 相続放棄は知ったときから3か月。相続登記は知った日から3年。空き家の3,000万円控除は相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までの譲渡 | 最初の3か月で「放棄するかどうか」を決めます。放棄しないなら、相続人で話し合い、登記、片付け、売却の順に進めます。控除を使って売るなら、3年目の年末が目安になります。→ 親が亡くなった |
片付けそのものは、自分たちでやると週末ごとの往復で数か月、業者に頼めば現地作業は数日です。売却は、査定から引き渡しまで、買い手がつく家で数か月、売れにくい家では年単位になります。解体は、見積もりと近隣への挨拶を含めて1〜2か月を見ておきます。それぞれの流れは 実家の売却の流れ、実家を解体する に書いています。
戸建てとマンションで違うこと
実家がマンションの場合、戸建てと同じ順番で進めますが、「壊す」という選択肢がなく、持ち続ける間の費用が固定で出続けます。
| 戸建て | マンション | |
|---|---|---|
| 持ち続ける費用 | 固定資産税、火災保険、光熱費の基本料金、庭木や外回りの手入れ | 固定資産税に加えて、管理費と修繕積立金。国土交通省のマンション標準管理規約では、区分所有者は共用部分の共有持分に応じた管理費等を管理組合に納めることになっており、住んでいなくてもかかります |
| 壊す | できます。ただし更地にすると住宅用地の特例が外れます(ステップ4) | 自分の部屋だけを壊すことはできません。売る・貸す・住むのどれかになります |
| 片付け・修繕 | 自由にできます | 共用部分や他の部屋に影響する修繕は、理事長への申請と書面の承認が要ります(標準管理規約 第17条)。搬出の日程や養生も管理組合の決まりに従います |
| 貸す | できます | できますが、専有部分は住宅として使うことが規約で決まっています(標準管理規約 第12条)。民泊などの用途は規約で確かめます |
| 確かめる書類 | 登記簿、固定資産税の納税通知書、境界に関する図面 | 登記簿、納税通知書に加えて、管理規約と長期修繕計画、管理費・修繕積立金の滞納がないか |
マンションは、管理費・修繕積立金の滞納があると売却の手続きが止まるので、査定の前に管理組合(管理会社)に残高と滞納の有無を見ておきます。
費用は、何にかかるか
金額は家の大きさ・物の量・地域・売れるかどうかで大きく変わるため、ここでは「何にかかるか」だけを挙げます。金額の目安と、費用を誰が払うかの整理は 実家じまいの費用 にまとめます。
| 項目 | かかる場面 | 金額を確かめる方法 |
|---|---|---|
| 片付け・運搬 | 業者に頼む場合。物の量と作業人数で決まる | 許可のある業者2〜3社に、家の中を見せたうえで見積もりを取る |
| 相続登記 | 名義を変えるとき。登録免許税と、司法書士に頼む場合の報酬 | 法務局の案内で税額を確認。報酬は事務所ごとに見積もり |
| 解体 | 壊す場合。構造・広さ・道路幅・隣家との距離で変わる | 複数社の見積もり。自治体の補助金の有無を先に確認 → 解体・空き家の補助金 |
| 売却の費用 | 仲介手数料、測量、契約書の印紙、譲渡所得税 | 不動産会社の査定時に、諸費用の内訳を出してもらう |
| 持ち続ける費用 | 決めるまでの間。固定資産税、保険、光熱費の基本料金、管理の交通費(マンションは管理費・修繕積立金) | → 空き家の実家、持ち続けると毎年いくらかかるか |
費用を誰が払うかは、相続人の間で先に決めておきます。立て替えた人が後から精算できるように、領収書と、誰が何を払ったかの記録を残します。相続財産から払う場合の順番と、遺産分割協議書への書き方は 実家じまいの費用 で書いています。
補助金と控除は、どこで探すか
実家じまいに直接使える「実家じまい補助金」という制度はありません。使えるのは、空き家の解体・家財整理・改修に対する自治体の補助と、売却時の税の控除です。どちらも「実家のある市区町村(都道府県)」と「売り方」で決まります。
- 自治体の補助:国の「空き家対策総合支援事業」などは市区町村を通じて実施される仕組みで、補助の有無・対象・金額は自治体ごとに違います(国土交通省)。ある自治体とない自治体があります。例として東京都は、都の空き家ワンストップ相談窓口に相談したうえで都内の空き家の家財整理または解体を行う所有者に、家財整理は費用の2分の1で5万円まで、解体は費用の2分の1で10万円までを補助しています(東京都住宅政策本部、確認日:2026年9月22日)。
- 申請の時期:補助は、契約や着工の前に申請することが条件になっている自治体が多くあります。見積もりを取る前に、実家のある市区町村の窓口で「申請はいつまでに、何を持って」を見ておきます。
- 売却時の控除:相続した空き家の3,000万円特別控除(ステップ4)は自治体の補助ではなく、確定申告で使います。適用には市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が要ります(国税庁)。
探し方の手順は次のとおりです。①実家のある市区町村のサイトで「空き家 解体 補助」「空き家 除却 補助」で検索する。②見つからなければ、市区町村の空き家担当窓口(建築・住宅・環境のいずれかの課)に電話し、制度の有無と申請時期を聞く。③都道府県にも制度がある場合があるので、都道府県の住宅部局のページも見る。自治体ごとの制度の一覧は 解体・空き家の補助金 にまとめ、確認した順に追加していきます。→ 解体の補助金。制度の種類と、着工前に申請する理由
費用を抑えるには、順番がある
実家じまいの費用は「安い業者を探す」より「順番」で変わります。上の各節で書いたことを、費用の面から並べ直すと次の4つです。
- 1.補助金の申請を、契約より先に:自治体の解体・家財整理の補助は、契約や着工の前に申請することが条件の自治体が多くあります。見積もりを取る前に、実家のある市区町村の窓口で申請の時期と必要書類を確かめます(→ 解体・空き家の補助金)。
- 2.壊すのは、売り方を決めてから:更地にすると固定資産税の住宅用地の特例が外れ、相続した空き家の3,000万円特別控除も、壊す時期と売り方で使えるかどうかが変わります(総務省、国税庁)。「先に解体して身軽に」は、税の面では逆になることがあります。
- 3.片付けは、許可のある業者2〜3社に家の中を見せて見積もり:家庭の不用品を運び出せるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を受けた業者か、市区町村が委託した業者です(環境省)。電話だけの概算は当てになりません。処分するものを減らしてから見積もりを取るほど、金額は下がります。
- 4.持ち続ける費用を早く止める:決めるまでの間も、固定資産税、火災保険、光熱費の基本料金、通うための交通費はかかり続けます。半年迷えば半年分です。「いつまでに決めるか」を家族で先に決めておくのが、いちばん確実な節約です(→ 空き家の固定資産税)。
金額の目安、費用を誰が払うか、お金がないときの選択肢は 実家じまいの費用 にまとめています。
仏壇・位牌・神棚は、どうするか
実家じまいで最後まで残るのが、仏壇と位牌、神棚です。家財と同じように処分してよいのか、先に供養が要るのかは、宗派と、家がどのお寺(菩提寺)とつながっているかで違います。決める順番は次のとおりです。
- 菩提寺があるか確かめる:親の葬儀や法要を頼んだお寺があれば、そこが菩提寺です。仏壇や位牌を動かす前に、お寺に「実家を片付けるので仏壇をどうすればよいか」を相談します。閉眼供養(魂抜き)の要否や、位牌の預かり・お焚き上げの扱いは、お寺の考え方で決まります。
- 引き継ぐか、手放すか:誰かが引き継ぐなら、位牌と、仏壇をそのまま、または小さい仏壇に移して自宅に置きます。引き継ぐ人がいないなら、お寺での供養を経て、仏壇本体は仏具店や供養を扱う業者、または自治体の粗大ごみで処分します。粗大ごみとして出せるかどうか、出せる場合の手数料は、実家のある市区町村の粗大ごみの品目表を見れば分かります。受け付けない自治体もあります。
- 神棚:お札は近くの神社に納め、神棚本体は自治体の区分に従って処分します。
片付け業者に仏壇の処分を頼む場合は、供養を含むかどうかと、その費用を見積もりに書いてもらいます。仏壇・位牌の進め方は 実家の仏壇と位牌を、どうするか にまとめます。
やってはいけない順番
- 先に壊す。住宅用地の特例が外れ、3,000万円控除の要件にも影響します(ステップ4)。
- 相続放棄を考えているのに、先に片付ける・売る。3か月の期限があり、処分行為が先だと放棄できなくなる場合があります(ステップ3)。
- 無許可の回収業者に頼む。チラシや巡回のトラックで宣伝する業者の中には、家庭ごみを運ぶ許可を持たないものがあります。不法投棄や高額請求につながるおそれがあると、環境省が注意を促しています(ステップ2)。
- 家族に言わずに進める。相続人全員の同意がないと、売却も名義変更もできません(ステップ1)。
- 補助金を調べる前に契約する。契約・着工後の申請を受け付けない自治体があります。見積もりの前に窓口で問い合わせます。
- 放置する。管理されていない空き家は、自治体から「管理不全空家等」「特定空家等」として指導・勧告を受けることがあり、勧告を受けると固定資産税の住宅用地の特例の対象から外れます(国土交通省)。→ 空き家を放置すると何が起きるか
自分の場合に当てはめる
期限があるものを、いま確かめる
- 相続放棄の期限:親が亡くなったことを知った日から3か月以内か。迷っているなら、家庭裁判所に「期間伸長」の申立てができます(裁判所の案内を確認)。
- 相続登記の期限:登記簿の所有者が亡くなった親のままなら、相続を知った日から3年以内。2024年4月1日より前の相続なら2027年3月31日まで。法務局の「相続登記の申請義務化」ページで確認。
- 売却の特例の期限:家が昭和56年5月31日以前の建築で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までに売れるか。国税庁タックスアンサー No.3306 で要件を確認。
- 補助金の有無と申請時期:実家のある市区町村のサイトで「空き家 解体 補助」を検索し、見つからなければ空き家担当窓口に電話。契約前に申請が要るかを聞く。
- 家の状態:屋根・外壁・庭木が周囲に迷惑をかけていないか。心配なら、実家のある市区町村の空き家担当窓口に相談。
迷ったときの相談先:公的な相談窓口(法テラス・司法書士会・税理士会・自治体)
各リンク先の確認日:2026年9月22日自分でやる範囲と、頼む範囲
| 自分でできること | 頼んだほうがよいこと |
|---|---|
| 家族との話し合い、貴重品と書類の捜索、写真の記録、登記簿の取得、ライフラインの手続き、相続登記の申請(書類が揃うケース)、補助金の問い合わせ | 大量の家財の運搬・処分(許可業者)、相続人が多い・遠方にいる場合の登記(司法書士)、相続税の申告(税理士)、売却(不動産会社)、解体(解体業者) |
自分でやる範囲を広げるほど費用は下がりますが、時間と往復の交通費がかかります。遠方の実家なら、「自分でやるのは書類と貴重品まで」と決めて、物の処分は業者に任せるほうが、結果として早く終わることが多いです。自分で片付ける場合の順番と、迷う物の預け方は 実家の片付けは、どこから始めるか で詳しく書いています。
寂しい、しんどい。気持ちが止めてしまうとき
実家じまいが進まない理由の多くは、手続きではなく気持ちです。「捨てるのが忍びない」「自分が実家を終わらせていいのか」「きょうだいに言い出しにくい」。これは片付けの能力の問題ではなく、決め方の問題なので、決め方を変えます。
- 戻れない決定と、戻れる決定を分ける。壊す・売る・放棄するは戻れません。片付ける・預ける・貸すは戻れます。戻れない決定だけを慎重に、戻れる決定は早く進めます。
- 残す物を先に決めてから、捨てる。「捨てる物」から考えると手が止まります。「持ち帰る物」「写真に残す物」「誰かに譲る物」を先にリストにし、それ以外を処分に回します。決められない物は箱にまとめ、期限を決めて預けます。
- 最後の帰省を作る。売却や解体の前に、家族で家を見に行く日を決めます。写真を撮り、持ち帰る物を運びます。区切りがあると、その後の手続きが進みます。
- 誰が反対しているかを言葉にする。止まっている理由が自分の気持ちなのか、きょうだいや親の反対なのかで、話す相手が変わります。
それでも進まないときは、片付けの一部を業者に渡す、決定の一部を専門家に相談するなど、自分が抱える範囲を減らします。気持ちの整理と、後悔しやすい決め方の型は 実家じまいは寂しい、しんどい。後悔しないために先に決めること で書いています。片付けが進まないときの具体的な対処は 片付けが進まない。親、きょうだい、自分の気持ち へ。
よくある質問
実家じまいは何から始めればいいですか
「親がどこにいるか」と「家の名義が誰か」を確かめることからです。親が亡くなっているなら、相続放棄を考えるかどうかを3か月以内に決め、放棄しないなら相続人で話し合い、貴重品と書類を探すところまでが最初の一歩です。片付けや売却はその後で間に合います。
実家じまいの費用はいくらかかりますか
片付け・登記・解体・売却の諸費用・持ち続ける間の費用の合計で、家の大きさ、物の量、壊すかどうか、売れるかどうかで大きく変わります。項目ごとの決まり方と、誰が払うかは 実家じまいの費用 に載せています。まず片付けと解体は複数社の見積もり、売却は査定時に諸費用の内訳を出してもらって、合計を出します。
自分で実家じまいはできますか
できる範囲は、家族との話し合い、貴重品と書類の捜索、登記簿の取得、ライフラインの手続き、書類が揃う場合の相続登記です。大量の家財の運搬は市区町村の許可を持つ業者、売却は不動産会社、解体は解体業者に頼みます。自分でやる範囲を決めてから、残りを頼みます。
実家じまいに何年かかりますか
親が元気なうちは期限がなく、1〜2年かけて少しずつ進める人が多いです。親が亡くなった後は、相続放棄3か月、相続登記3年、売却の特例の期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日)から逆算します。片付けだけなら、業者に頼めば現地作業は数日です。
実家じまいで捨ててはいけない物はありますか
権利証(登記識別情報)、通帳、保険証券、年金や介護の書類、契約書、鍵、実印は、片付けの前に探し出して1か所にまとめます。相続放棄を考えている間は、価値のある物を売ったり持ち帰ったりしないでください。処分行為とみなされて放棄できなくなる場合があります(裁判所)。→ 遺品整理は、いつから始めてよいか
相談先
手続きの相談は、市区町村の窓口(空き家対策・税務・戸籍)、法テラス、各士業会の相談センターで受けられます。窓口と相談案内ページの一覧は 公的な相談窓口 にまとめています。
出典・記事情報
記事の内容は、以下の一次情報をもとに作成し、公開前に確認しています。
- 法務省「相続登記の申請義務化について」(施行日・3年・過料・経過措置。確認日:2026年9月21日)
- 裁判所「相続放棄の申述」(3か月・申述先・期間伸長。確認日:2026年9月21日)
- 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(控除額・要件・期限・被相続人居住用家屋等確認書。確認日:2026年9月21日)
- 総務省「固定資産税の概要」(標準税率・住宅用地の特例。確認日:2026年9月21日)
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」(管理不全空家等・特定空家等・住宅用地特例の解除、空き家対策総合支援事業(市区町村向け)。確認日:2026年9月22日)
- 東京都住宅政策本部「東京都空き家家財整理・解体促進事業」(対象者、家財整理 2分の1・5万円まで、解体 2分の1・10万円まで。確認日:2026年9月22日)
- 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(第12条 専有部分の用途、第17条 専有部分の修繕等、第25条 管理費等。確認日:2026年9月22日)
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」(一般廃棄物処理業の許可。確認日:2026年9月21日)
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 結果の概要」(空き家900万戸・13.8%、賃貸・売却用等を除く空き家385万戸。確認日:2026年9月21日)
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2026年9月21日:初版を作成。
2026年9月22日:「実家処分との違い」「期間の目安」「戸建てとマンション」「補助金と控除の探し方」「仏壇・位牌・神棚」「寂しい、しんどい」「よくある質問」を追加。
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